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どこまで利用される? 医療継続に係る納税猶予制度

「持分なし医療法人」への認定移行制度

平成18年医療法改正において、地域医療の安全性の確保のため、医療法人の非営利性が徹底することになりました。この改正では医療法人の残余財産の帰属先は国・地方公共団体に限定され、H19.4以降は出資持分を認めない「持分なし医療法人」のみが新設できることとなりました。

 

ただし、この改正は既存の「持分あり医療法人」には適用されず、「持分なし医療法人」への移行は自主的な取り組みとして位置づけらたため、ほとんどが「持分あり医療法人」として存続することとなりました。

そのため、平成26年医療法改正により「持分なし医療法人」への移行促進策(厚労大臣の移行計画認定制度)が採用されます。この制度は一定期間(H26.10から3年間)に認定を受けた医療法人に対して、各種の支援措置を行うというものです。

医療継続に係る相続税・贈与税の特例措置

税制においても、平成26年10月より「持分なし法人」へ移行を進めようとする「持分あり法人」を対象とした相続税・贈与税の納税猶予制度・税額控除の特例措置が設けられることとなりました。

もともと「持分なし法人」への移行中には次のような課税問題が懸念されました。

税目課税対象者課税対象財産
相続税出資者の相続人等出資持分
贈与税出資の放棄があった場合の他の出資者増加する出資持分の価額(経済的利益)

これらの課税問題を避けるために、一定の手続・担保を行った場合には、納税を猶予するなどの制度を設けたのです。

どれくらい利用される制度となるか?

この制度は数年来の税制改正要望により、ようやく創設されたものではありますが、日本医師会の調査などを見ると、診療所の経営者は「オーナーシップを手放したくない」という結果を示しています。

Q 持分なし法人へ移行する意向はあるか

(平成24年1月日本医師会調べ)

意向あり5.1%
意向なし91.8%
無回答3.1%

診療所ではこの納税猶予等制度を利用する方は限定的かもしれませんが、病院等でどこまで利用されるか動向が注視されます。

※H29.9.30までに移行計画を厚労省へ申請する必要があります。

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